漆喰(しっくい)の効果について
続いて、漆喰(しっくい)の代表的な効果をご紹介します。
漆喰は、強アルカリ性の素材なので、カビやダニの発生を抑えることができます。それには理由があります。日本の気候では木や土壁を使用すると、カビが生えるケースもあるのですが、漆喰は上記でお伝えしている通り、強アルカリ性の働きによって、殺菌作用があり、カビが生えずらいのです。
その他にも、ビニールクロスとは違い、静電気を帯電しない性質なのでホコリを吸い寄せたりすることがありません。そのおかげで、掃除機などのホコリの吹き上げを寄せ付けず、室内を清潔に保つことにつながります。汚れ(らくがき含む)や傷もすぐに直すことができます。
ちょっとした汚れなどは、消しゴムで消したり、カッターで削ったりすると、すぐに消せます。全体的に汚れてくれば、漆喰をローラーで薄く延ばせばご自身でも手入れすることができます。
地球にもやさしい一面をもっています。漆喰とは、厳密に言うと石灰なのです。成分は炭酸カルシウムで、水を加えることで発熱・膨張しCO2を吸収するはたらきや、カビや細菌の発生・増殖を抑える効果、ホルムアルデヒドを分解する力を備えています。
そして、廃棄するときも環境を汚すことはありません。なぜなら、成分は水酸化カルシウムと炭酸カルシウムが主成分だからです。つまり、漆喰は土壌に返る素材なのです。
また、珍しいところでは、新琉球漆喰(しんりゅうきゅうしっくい)と呼ばれる壁材も。沖縄の珊瑚(さんご)や石灰、赤土や赤瓦をベースに、消石灰、凝固を促す無機質のFC剤を加えたもので、臭いや化学物質の発生を抑えます。
煙でいぶした燻煙材(くんえんざい)にも注目が集まっています。木材をじっくりといぶすことで、調湿・消臭・防虫・防カビ効果など、無垢材が持つ特性が一段と高まり、耐久性も向上します。
このため、構造材として使われることも多く、しっかりとした骨組みの家ができあがります。個性的な自然素材の特徴を知ることで、どんな素材を使うのがよいのかが見えてくるはずです。